設備保全では、測定や調査を正しく行っても、記録の条件が足りないと後から使えない情報になってしまいます。白紙ノートへ数値だけを書いた結果、「どの端子間を測ったのか」「設備が停止中だったのか」「どこから異音がしたのか」が分からなくなることは珍しくありません。
配管調査で残す項目
配管調査では、流体、流れ方向、口径、材質、バルブ、接続先をセットで残します。現場では20A、3/4B、6分のように複数の呼び方が使われるため、聞いた呼称だけでなく、確認した規格も併記すると引き継ぎが楽になります。
ルート図には設備の位置、分岐、バルブ、流れ方向、基準点を入れます。方眼を使うと、写真を撮れない場所でも位置関係を伝えやすくなります。
電気調査で残す項目
電気調査では、回路名、測定点、端子番号、線色、切離し状態、測定器、測定電圧、測定値、判定を残します。同通チェックや絶縁抵抗測定は、値だけでは再現できません。安全手順や社内基準に従ったうえで、次の担当者が同じ条件を確認できる情報を記録します。
異音・漏れ・振動・温度の記録
「異常あり」だけで終わらせず、発生場所、時刻、運転条件、負荷、周期、音の種類、変化を残します。異音なら連続音か周期音か、漏れなら液体・気体、量、色、臭い、拡大傾向などを分けると、再点検時の比較に使えます。
部材・型式・工程も一緒に残す
- 部材:品名、規格、数量、使用設備、納期、手配状況
- 機器情報:メーカー、型式、製造番号、容量、電圧、設置場所
- 工程:停止、安全処置、作業、試運転、復旧確認
紙で持ち歩ける「設備保全手帳」
こうした記録を用途別の紙へ分散させず、一冊で持ち歩けるようにしたのが『設備保全手帳』です。配管サイズのA・B・分の早見、平面図・配管図用の方眼、電気調査、異常診断、会議、部材、工程、型式・シリアルNo.の記録欄と、ポンプ・モーター・制御盤・配管などの白黒イラストを収録しています。
電子機器を持ち込めない現場や、写真撮影ができない現場でも、次回の点検や故障対応に使える記録を紙で残したい方に向けた手帳です。
※測定・点検・作業は、法令、メーカー資料、事業所の安全規程、有資格者の指示を優先してください。本書は個別設備の安全を保証するものではありません。


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